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内服薬で完治できる!梅毒の治療法を解説

更新日:2017/04/12 公開日:2017/03/31

かつては不治の病とされた梅毒ですが、現在では治療薬もあり治療法も確立しています。どのような手段で治療を行うのか、どのように治療後の治癒判定を行うのか、治療においての注意点とともに解説します。

ペニシリンの内服が主流

梅毒の病原体は「梅毒トレポネーマ」と呼ばれます。梅毒トレポネーマが粘膜や皮膚の小さな傷から入り込み、血液から広がることで起きるのが梅毒の症状です。そこで、抗生物質である「ペニシリン」を投与して梅毒トレポネーマを死滅させることが梅毒治療の基本となり、ペニシリンに耐性のある病原体の報告もないことから、現時点ではこの治療法が効果の高いものと考えられています。ペニシリン注射薬は、1回で治療のほとんどを終えられる場合もある強力な治療法ですが、日本では使用できません。そのため、時間をかけて内服することになります。投与期間は長期にわたり、第1期とよばれる感染段階では2~4週間、第2期段階では4~8週間、第3期以降では8~12週間の投与となることが多いようです。

ペニシリンにアレルギー反応が出てしまう人もいます。その場合は代替薬として「塩酸ミノサイクリン」を服用します。

妊娠中の治療は胎児への影響を考慮する

妊婦が梅毒に感染していた場合、胎盤を介して胎児に梅毒が感染します。母体の感染段階が第1期、第2期の場合に、60~80%という高確率で感染するといわれています。赤ちゃんが先天的に梅毒に感染してしまうほか、早産死産の原因ともなりますので、梅毒検査は妊婦検診にも含まれています。感染が発覚した場合には、ペニシリンは胎盤血液を通じて胎児にも届くため、母体と同時に治療することができます。しかし、「エリスロマイシン」で治療を行う場合は、効果が胎児にまで及ばないため、出産後に改めての治療となります。

妊婦であっても通常と同様、ペニシリンの投与が一般的ですが、ペニシリンにアレルギー反応のある場合に用いられる塩酸ミノサイクリンは、胎児への副作用が懸念されます。その場合は「アセチルスピラマイシン」が投与されます。

神経梅毒が発症した場合は

第3期段階以降で現れるのが、神経梅毒とよばれる症状です。感染から数年にわたり有効な治療が行われない場合、病原体が中枢神経に入り込み、さまざまな神経症状があらわれます。現在では治療薬の発達により、その段階まで至ることはほとんど無いようですが、HIVと合併して発症したケースでは、症状の進行がはるかに早くなってしまいます。皮膚がただれる、組織破壊がみられる、などの重い皮膚病変に加えて神経梅毒を発症する場合もあり、頭痛、嘔吐、痙攣などの肉体的症状や、めまい、意識障害、精神異常など脳神経への病変もみられます。

このケースもペニシリンの投与が基本となりますが、「ベンジルペニシリンカリウム」や「セフトリアキソン」を静脈に注射することもあり、これが神経梅毒治療の特徴です。セフトリアキソンはペニシリンと同時に使用することによってアレルギーが起こることもあり注意が必要です。

完治したかどうかの判定方法

ペニシリンをはじめとする抗生物質の内服によって治療を行ったのち、症状の再発がないかを血液検査によって判定します。検査は「STS法(梅毒脂質抗体検出法)」と呼ばれる方法が用いられ、梅毒に感染した際につくられるリン脂質抗体を検出し、値を測定することで症状の有無を判定します。リン脂質抗体の数値は治療を重ねることで低下していきますので、この数値を見ることによって治療効果の判定を行っていきます。

一般的には、リン脂質抗体の値が8倍以下となれば治癒とみなされますが、治療後半年以上が経過していても16倍以上となる場合は治癒していないとみなされます。この場合は再感染した可能性もありますので再治療となりますが、これはHIVに合併感染している場合によくみられるケースでありHIVの検査や髄液の検査を要すると判断される場合もあります。

治療開始後に回復症状がある

ペニシリンの投与をはじめとした梅毒の治療ですが、治療開始後、早ければ数時間後から梅毒トレポネーマが破壊されはじめます。これにともなって発熱や全身の倦怠感、悪寒、頭痛などが起きる場合があります。これは「ヤーリッシュ・ヘルクスハイマー反応」と呼ばれる反応であり、薬の副作用でないことを知っておくべきでしょう。勝手に薬の服用を止めたり、量を減らしたりしないように、治療が終了するまではきちんと定量を服用しましょう。不安がある場合は、仕事や学校などが休みの際に治療を始めるのも一手です。

妊婦の場合は、ヤーリッシュ・ヘルクスハイマー反応によって流産や早産を起こす可能性もありますので、経過には注意を要します。必ず医師の指示に従って、適切な治療を行うことが望ましいでしょう。

梅毒は感染しても自覚症状のない場合があり、気づかず感染を拡大させることもあります。また、自分が感染している場合はパートナーも感染している可能性があります。治癒後の再感染を防ぐためにも、パートナーと一緒に検査や治療を行うことをおすすめします。

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