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食事はしっかり!無理なダイエットがもたらす悪影響とは

更新日:2017/09/18 公開日:2017/03/31

食事制限ダイエット

ダイエットに励む人のうち若い女性を中心として、食事を抜くなどの無理なダイエットが多くみられます。継続すれば健康を害することにつながりかねません。ここでは、その悪影響についてドクター監修の記事でお届けします。

若い女性が体型を気にして行うダイエットでよくみられるのは、食事制限によるものです。普段からカロリーオーバーの人にとって食事制限は必要であるものの、ほとんどの場合で欠食などの必要エネルギー不足、栄養バランスの無視、といった不適切なダイエット内容が見受けられます。無理なダイエットをすると上手にやせないばかりか、かえって健康を害する結果につながりかねません。ここでは、その悪影響について重点的に説明します。

無理なダイエットとはどのようなものか

食事は生命維持に不可欠

本来、食事は活動するのに必要なエネルギーや栄養素を補給するものです。私たちは寝ていても呼吸をし、脳や心臓などの臓器が絶えず働いています。ヒトは食べだめができませんから、生きていくために最低限必要なエネルギーを毎日摂取する必要があります。身長や体重によって多少の差はありますが、動かなくても消費するカロリー(基礎代謝量)と活動によって消費するカロリー(活動代謝量)を合わせたエネルギー分の食事をとることが求められます。もちろん、タンパク質・炭水化物・脂質の他、ミネラルやビタミンなどをバランスよく補給しなければ、身体の諸機能を維持することが難しくなり、不調や疾患につながります。

食事とダイエットの関係

体型や体重が気になってやせたいと思うとき、主に考えられるのは運動などで消費エネルギーを増やす、あるいは食事やお酒などの摂取エネルギーを減らす、という方法です。正しいダイエットとは、必要な栄養素をしっかりと摂取したうえで、運動による消費エネルギーを増やしたり、筋肉をつけて基礎代謝量を上げたりというものです。食事制限も行われることがありますが、多くの場合は脂質・糖質・アルコールの過剰摂取や生活習慣病のリスクがある人などに対して指導されるものです。

ところが、多くの人がやせるために消費エネルギーではなく摂取エネルギーを、特に嗜好品ではなく主食などを減らすことを選びがちです。体重を減らそうとして食事を必要以上に減らす、特定のものを食べない・特定のものしか食べない、あるいは食べすぎた分を運動以外の方法(嘔吐、下剤などの薬物)で解決しようとする、といったダイエットの仕方には無理があると言わざるをえません。なぜなら、健康を維持するために必要な食事の量や栄養バランスが保てないからです。一時的に体重が減ることは考えられますが、それと引きかえに健康を害するのでは本末転倒です。特に、食事を抜いてやせようとするのは大変危険です。拒食症・過食症といった摂食障害につながると、命を落とすこともあります。この疾患については後で詳しく述べます。

流行のダイエット方法にも落とし穴が

炭水化物を摂らない、スムージーだけを飲む、数日間断食する、などといったダイエット方法が世間で話題となり、耳にしたことがある人も多いと思われます。ドクターが推奨していたり、栄養士の監修によるプログラムが開催されたりと、安全にやせられそうな印象を受けます。合宿のようなプログラムでは健康管理に着目して身体への悪影響がないように行われていると考えられますが、自宅で自己判断に基づいて行う場合には誤った取り組み方になってしまうことが懸念されます。

無理なダイエットのデメリット

誤った方法でダイエットを行うと、さまざまな疾患につながります。主に身体の不調と精神の疾患に分かれますが、その例をあげて説明します。

拒食症・過食症(摂食障害)

摂食障害は、やせたいという願望が強いあまりに起こる精神疾患です。拒食症は「神経性食欲不振症」とも呼ばれ、食事を避ける行動をとります。過食症では「やせなくては」という気持ちと「食べたい」などという気持ちが共存することから、明らかに過剰な量を食べ、それによって太るのを避けるために嘔吐しようとしたり下剤を乱用して排出しようとしたりします。いずれも10〜20代の女性に発症しやすく、患者はやせていることが多いといいます。本人は病気と認識していないこともよくあるため、客観的にやせすぎでも「もっとやせたい」と感じて拒食や過食後の代償行動をやめないとされます。これが長期間続くと栄養失調から貧血、無月経、不整脈などを引き起こすことにつながり、飢餓状態となっても認識・行動が変わらなければやがて命を落としかねません。

栄養失調

摂食障害によっても起こりえますが、りんごダイエットのように特定のものしか食べない、あるいは炭水化物などの重要なエネルギー源を抜いて、不足した栄養素を補わないことが栄養失調につながります。栄養素が不足するため一時的に体重は落ちますが、体内の諸機能も低下します。ビタミン不足などから免疫機能の低下や口内炎が生じやすくなる他、さまざまな栄養の不足で筋力低下、知覚異常などを招き、重症になると意識消失発作を引き起こすこともあるとされます。

全身の諸症状

無理なダイエットによって急に体重が減ったり極端にやせたりすると、全身の機能が低下します。特に脳は多くのブドウ糖を必要としますが、血液中の糖分が不十分な状態(低血糖)だと集中力低下につながります。また、脳の指令によって働く臓器や恒常性維持機構の機能低下も招きます。

脳だけでなく、心臓の働きが弱くなってすぐに疲れたり、不整脈を引き起こしたりする場合もあります。さらに、女性では生理がこなくなる月経異常と、それに続発する骨粗鬆症のリスクも高まります。

健康的にやせるための注意点

食事の量は、人それぞれの身長・体重・運動量に合わせて必要摂取カロリーが定められています。自分に合った摂取カロリーを計算し、その分は必ず補給するようにすることが求められます。なお、体重が重い人ほど、呼吸や運動に使われるエネルギー量も多いため、必要なカロリーは多くなります。体脂肪が標準より多い人は、その脂肪分を減らすことが望ましいのですが、やせたいからと食事を減らすのではなく、運動することで脂肪をエネルギーとして利用する必要があります。また、食事の内容は1日3回に分け、栄養素のバランスがとれるよう心がけることが求められます。

なお、体脂肪率が高い場合は生活習慣病などのリスクを上げるため注意が必要ですが、体型を気にしてダイエットに励む人の中には、特に体脂肪率や体重が標準より多いわけではないことも多く見られます。適正な体脂肪率は男性なら15〜19%、女性なら20〜25%であり、BMIは男女ともに18.5〜24.9とされています。BMI(Body Mass Index)は身長と体重の計算式から肥満度を示すもので、体格指数と呼ばれます。BMI=体重kg÷(身長m×身長m)で求められ、22のときにもっとも病気にかかりにくいとされます。

若い女性によくみられるのは、健康的でないダイエット方法と目標体型がやせすぎであることです。モデル体型の目安でも、BMIは18程度です。BMIは体重が計算式に入っていますが、それが筋肉か脂肪かは問われません。しかし、筋力や筋肉量、特に体幹や内臓まわりのインナーマッスルを鍛えることで基礎代謝量が上がり、結果的にやせやすくなります。すなわち、食事を減らすことでやせるのではなく、しっかり食べて筋肉をつけるよう心がけることが健康的にやせる近道といえます。

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