ワキガの種類は色々ありますが、例え同じ手術でも同じ仕上がり、同じ効果を得られるわけではありません。成功もあればトラブルもあります。ここでは、ワキガの手術にまつわるトラブルをいくつか紹介しましょう。
手術したのに、においがとれない
ワキガ手術の最大トラブルと言ってもいいくらい多く、さらなる悩みに発展することも少なくありません。なぜ、このようなトラブルが起こるのでしょうか?主な原因として、次の3点が考えられます。
症状と治療法が合っていない
『病院でのワキガ(腋臭)治療・手術(1)ワキガ手術の内容と費用』で紹介したように、それぞれの手術にはメリットとデメリットがあります。効果が高いものとそうでないものもあります。ワキガのにおいが強い方に対して、中~軽度の方を対象にした手術を行っても大きな効果は得られません。
アポクリン腺はその数や範囲、そしてどのくらい活発なのか?など個人差があるため、症状や体質に合った治療法を選択することが重要です。病院やドクターを選ぶ時は、焦らず慎重に行ってください。
「手術=無臭になる」という誤解
ワキガの手術をすると無臭無汗になると思っている方は、意外と多いかもしれません。しかし手術で全ての汗腺を取り除くのは不可能なことに加え、破壊した汗腺の5~10%は再生する可能性があると言われています。
とは言えアポクリン腺をきちんと取り除けていれば、ごく自然な体臭レベルになることが多いものです。しかし、そのにおいも気になってしまい、結果「治っていない」と感じる方が多いことも事実です。
ワキガ手術の目的は、“100%無臭無汗になる”のではなく“制汗スプレーなどワキガのない人が行っているケアさえしていれば、においが気にならなくなるレベルにする”ことです。
「におっているのでは?」という精神的不安によるもの
長い間悩んでいたからこそ手術後も「もしかして臭っている?」と不安になり、周りの目が気になってしまうという恐怖心は、そう簡単にぬぐえないものです。前述したケースと似ていますが、においは目に見えず“主観的”ゆえに難しい問題です。
しかしストレスや不安を抱えると交感神経が活発化し、エクリン腺から汗が出やすく悪循環に陥ることも少なくありません。このような場合は、思いきって客観的な意見を聞いてみることもひとつの方法です。
傷あとや色素沈着のトラブル
傷あとが残りやすいのは、ワキの下にメスを入れる剪除法(せんじょほう)です。縫合技術によっては非常に目立つ跡になることもありますので、慎重に選択する必要があります。メスを入れない治療法もありますが、傷あとを気にするあまり症状と合わない治療法を選んでしまったら元も子もありません。
色素沈着は手術後の炎症が原因で起こります。この色素沈着は時間と共に薄れていきますが、状態や体質によってシミのように残る場合もあります。色素が定着してしまった場合の治療まで対応可能かどうかも確認しておくと良いかもしれません。
術後経過はドクターの腕によって大きく変わるため(ワキガの症例写真は普通撮らないと思います。)、じっくり相談することをオススメします。
再手術のリスク
手術は1回で済むことがベストですが、止むを得ず再手術を行うケースがあります。しかし再手術は初回の手術よりリスクがある、ということを忘れないでください。診断が難しくなるだけでなく、状態によっては再手術ができない場合もあります。また一度手術をした肌は硬くなりやすく、皮下組織もくっついてしまうため難易度が上がってしまいます。
このように、ワキガの手術には様々なリスクが伴います。悩みを解消するための手術が、さらなる悩みの原因になってしまったら本末転倒です。このようなトラブルを避けるためには、最初の病院選びが肝心です。技術や経験はもちろんですが、カウンセリングで話をしっかり聞いてくれて、どんな小さな質問にも丁寧に答えてくれるなど信頼できるドクターにお願いしましょう。
いくつかの病院でカウンセリングを受けて、どんな病院か?どんな人柄のドクターか?をきちんと把握した上で、選んでください。
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