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妊娠中・妊婦に必須の「葉酸」とは?

更新日:2018/05/30 公開日:2014/10/01

妊娠中の食事・栄養

「葉酸は妊婦に必須の栄養素」とよく聞きますが、なぜ必要なのでしょうか。葉酸の重要な働きと妊娠中(特に妊娠初期)に葉酸が必要な理由について、ドクター監修のもと詳しく解説します。

妊娠中・妊婦に必須の「葉酸」とは?

「葉酸は妊婦に必須の栄養素」とよく聞きますが、なぜ必要なのかを知っていますか?ここでは、葉酸ようさんの重要な働きと妊娠中(特に妊娠初期)に葉酸が必要な理由について詳しく解説します。

葉酸とは

葉酸は生命維持に必要な13種類の必須ビタミンのひとつで、ビタミンB群の一種です。ビタミンは、水に溶けやすい性質を持ち、不要な分は尿などで排泄されて体内に留まらない「水溶性ビタミン」と、油脂やアルコールに溶けやすく身体に蓄積される「脂溶性ビタミン」に分けられます。葉酸は、水溶性ビタミンに含まれます。

体内で作ることができないため、必要量をバランスよく摂取しないと、体に様々な問題が起こってきます。葉酸が欠乏すると、細胞を作るために必要な核酸の合成や血液(赤血球)を作ることが円滑にできなくなります。

妊娠中に葉酸が必要な理由

赤ちゃんの神経の発育に関係する

葉酸は、細胞分裂・増殖が活発に行なわれる胎児にとっては必要不可欠な栄養素です。諸外国の研究で、十分な葉酸摂取をすると赤ちゃんの神経管閉鎖障害の危険が減らせる可能性のあることがわかってきました。

神経管とは脳や脊髄せきずいなどの中枢神経系の基礎となるもので、妊娠6週末までには形成しきってしまいます。そのため、妊娠直後からこの時期までに、核酸や細胞の分裂・増殖に関わる葉酸が不足していると、神経管の形成に影響を及ぼしてしまいます。神経管閉鎖障害と分類される病気には、「二分脊椎にぶんせきつい」や「無脳症」などといったものが含まれます。

二分脊椎は、脊椎の中にあるべき脊髄が外に飛び出してしまう状態で、歩行や排泄機能に障害が残ることがあります。無脳症は脳が欠損や縮小、発育不全を起こした状態で、流産や死産の確率が高くなります。

妊娠前からの積極的な摂取が重要

神経管は妊娠6週末で完成するので、妊娠に気付いてから摂取するのでは遅く、妊娠の1か月前から摂取する必要があります[1]。

厚生労働省が発表したデータ(日本人の食事摂取基準2015年版)の概要によれば、日本の妊婦の葉酸摂取量は推奨量の50%程度でしかありません。食べ物だけからとろうとすれば毎日アボガドを3個食べる必要があります。摂取すべき栄養は葉酸だけではありませんからアボガドだけ食べるわけにはいきません。

したがって、妊娠を希望している女性は、食品からの栄養摂取だけでなく、サプリメントなどの栄養補助食品も利用しましょう。一般的に、妊活中の女性であれば、普段の食事からの葉酸摂取量に加えて1日400μgを、サプリメントなどを用いて摂取すればよいとされています。ただし、葉酸を多く摂取すればよいというわけでもなく、1日1mg(1000マイクログラム)を超えないように注意が必要です[2]。

妊活中の方は普段から多めに摂取

葉酸は、ほうれん草やブロッコリーなどの緑黄色野菜に多く含まれているほか、オレンジやいちごなどの果物、レバーにも多く含まれています。

葉酸は日常生活の中でも上手に取り入れていきたい成分ですが、特に妊娠を考えている方や妊娠初期の方はサプリメントを用いるなどして、意識して摂取するようにしましょう。

参考文献

  1. [1]水上尚典ほか. "産婦人科診療ガイドライン" 日本産婦人科学会. http://www.jsog.or.jp/activity/pdf/gl_sanka_2014.pdf (参考2018-01-18)
  2. [2]厚生労働省. "神経管閉鎖障害の発症リスク低減のための妊娠可能な年齢の女性等に対する葉酸の摂取に係る適切な情報提供の推進について" 厚生労働省. http://www.mhlw.go.jp/houdou/2006/02/dl/h0201-3a3-03c.pdf (参考2018-01-18)
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