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レーシックの失敗症例とは?術後の不具合事例と病院選びのチェックポイント

更新日:2017/03/01 公開日:2014/10/31

知っておきたいレーシックの問題点

レーシックによる感染症などが社会問題となり、レーシックで失敗することもあるのではという不安が一時高まりました。レーシックのデメリットやレーシックを受ける前に注意すること、病院を選ぶときのチェックポイントなどを、ドクター監修の記事で詳しく解説します。

レーシックは安全性の高い手術ですが、手術である以上、全く問題点がないというわけではありません。レーシックのデメリットや注意点をしっかり理解しておくことも大切です。

レーシックで起こった事件

過去に、ある眼科施設でレーシックを受けた患者に多くの角膜感染症が集中して発生した事例があります。これは、手術器具の適切な滅菌消毒を怠った結果起こった事件です。通常、知識を持った医師が行う手術ではあり得ないまれなケースですが、この事件は、大きな波紋を呼び、レーシックを受けようと思っていた人に不安を与えてしまいました。

上記の事件では角膜フラップを作成する際に、ケラトームという小型のカンナのような器具を使用して手術を行っていました。この機器が直接角膜内に触れるので、機器の洗浄が不適切だと感染症の危険性があるのですが、もちろん、きちんとした管理が行われている施設であれば、このような問題は通常はありえません。

現在行われているレーシックではケラトームの刃は患者さんごとに使い捨てしますし、レーザーを照射してフラップを作るものもあり、こちらの器械は切除部分が直接触れることがないため、感染症にかかる心配は極めて低いと考えられます。

この事件を受け、日本眼科学会では「エキシマレーザー屈折矯正手術のガイドライン」を見直し、屈折矯正手術講習会の実施回数を増やし、講習会の再受講を義務化するなど、改善策を講じています。

「レーシック手術後の不具合」報道の是非

2013年12月4日に発表された消費者庁国民生活センターの調査によると、レーシック手術を受けた人の約4割がドライアイや暗い場所で見えにくいといった不具合を感じているということでした。ただし、この報告には明確な医学的な根拠もなく、手術後に一般的に現れる症状までも不具合というカテゴリーに含めた報告であるようで、調査に疑問を抱く医師も多数存在しています。

レーシック先進国であるアメリカでもレーシック手術の調査が行われており、ある調査では、レーシック手術を受けた13,655人のうち、95%が視力に満足しており、94.2%が生活を改善したという回答が得られており、アメリカでのレーシック手術の満足度は非常に高い結果となっているのです(「J Refract Surg. 2009 Jul;25(7 Suppl):S642-6.」参照)。

レーシックの手術には、日本眼科学会が定めたガイドラインがあります。そのガイドラインを守り適正な手術を行っていれば、このような問題ほとんど起きないと考えられます。

そもそもレーシックの手術は誰でも受けられるわけではありません。手術が可能かどうか事前に診断することが必要です。たとえば円錐角膜といった病気がある場合や、角膜の厚みが十分でない場合、安全域を超える強度近視、強度乱視など手術を受けられない場合があります。

レーシック手術に、リスクや合併症は存在する?

手術を受けた後に後悔しないためにも、メリット・デメリットについてよく理解することが大切です。

術後のドライアイやハロー・グレアは誰にでも起こりうる

レーシックの術後、多くの人にドライアイやハロー・グレアといった現象が起こります。医師から術後について十分な説明がなされていない場合、この症状に驚いて後遺症や合併症だと思い込んでしまう人もいるかもしれません。しかし、たとえば体に傷ができた時にかさぶたができる過程を経て治癒していくように、レーシックの場合は、ドライアイとハロー・グレアは、ほとんどの人が術後数か月は感じるものです。言うならば、当然起こりうる術後経過のひとつです。成功率をはかる際は、手術に付随する症状と合併症を混同しないようにしましょう。

具体的な症状は以下の通りです。

ドライアイ

術後6か月ほどは涙の分泌量が減り、ドライアイの症状が出ることがあります。レーシックでフラップを作ることで角膜内の神経線維が切断され、瞬きをしても刺激が涙腺に伝わらないことで起こります。たいていは数ヶ月で自然にもとに戻ります。症状はドライアイ用の目薬で解消されます。

ハロー・グレア

術後3~4か月は、大半の人が夜間に光がにじんで見えたり、まぶしく感じたりする「ハロー・グレア」を感じますが、術後1年経つと徐々に落ち着いてきます。症状がなくなるというよりも、「ハロー・グレア」に慣れると考えられています。ハロ・グレアは、角膜の一部を削る手術であるレーシックでは、原理上どうしてもおこる現象であり、術前にしっかりと説明を受けていれば、術後に慌てたり不安になることはほとんどないはずです。

レーシック後の「視力不良」

1.0以上など目標とする視力まで回復しない場合があります。程度としては中等度の近視の場合で0.9%程度の確率です。目の状態によっては、再手術で視力を回復させられる場合もあります。また、再手術自体が行えない場合もあります。

「近視の戻り(リグレッション)」

レーシックで視力が回復しても、手術後6か月から1年以上経ってから再び近視化する場合があります。

強度近視の人に起こる確率が高いです。こちらも再手術をすることで、低下した視力を回復させることが可能ですが角膜の厚みによっては再手術自体が行えない場合もあります。

「過矯正による遠視化」

反対に、レーザーの効果には個人差があるため、効き過ぎるリスクもあります。

わずかな過矯正であれば、たいていは術後3か月ほど経過すると目の状態が落ち着いて近視側へ戻ります。まれに遠視の状態が続く場合がありますが、その場合でも再手術により遠視矯正を行うことはできます。

ただ、遠視は疲れ目や頭痛の原因となることから、過矯正にならないように術前の角膜切除量の設定をしっかりと検討しなければいけません。かんたんな検査ですぐに手術に踏み切る施設ではこういった問題を引き起こすリスクがありますので、視力検査を丁寧に繰り返し行う施設を選びましょう。

術後、角膜の形が変形し視力が低下する場合がある?

角膜の切除量が大きい場合、角膜が眼圧に耐え切れずに徐々に前方に押しだされる角膜拡張症という合併症が起こることがあります。ただし、角膜拡張症は、きちんとした適応検査を受ければ2万人に1人の確率でしか起こりません。最近では、レーシックとクロスリンキング治療(角膜強化法)を併用する「角膜強化型レーシック」によって、角膜の強度を維持し、近視の戻りや合併症を予防することができます。

正確な眼圧測定ができなくなる?

手術によって角膜が薄く変形するため、眼圧の検査値が低く出るようになります。レーシックを受けられた方が緑内障を発症した場合は、レーシックを受けた旨を医師に伝えることが大切です。なお、術前検査で緑内障のリスクのあることが判明した場合、レーシックを受けないという選択肢もしっかり考えたほうがいいでしょう。

白内障手術が難しくなる?

将来、レーシックを受けた方が白内障手術をすることになった場合、眼内レンズの度数を決定する際に特別な計算方法を使用します。レーシックを受けると白内障手術が受けられなくなるといった間違った認識をしている医師もいましたが、現在は眼内レンズの度数計算を問題なく行うことができます。なお、白内障手術時にはレーシックを受ける前のデータと手術内容の記録を白内障手術の担当医師に伝えることが重要です。

レーシックで失明した人がいるって本当?

レーシック手術による不具合や感染症事件などが取り沙汰され、「レーシックで失明するのでは…」という不安の声も聞かれます。

なんらかの原因で網膜の血管や視神経が傷ついてしまった場合、失明を招く恐れがありますが、レーシックは目の表面にある角膜の一部にレーザーを照射するもので、奥の網膜や視神経に触れるような手術ではありません。日本国内で眼科専門医が行ったレーシックで、失明したという報告は現在までに1例もありません。

信頼できる病院選び

本来、レーシックの手術は、十分なカウンセリングを行い、適性検査を受けたうえで手術を受け、術後数か月に及びアフターケアも行われるものです。それが、一部のクリニックでは説明やアフターケア、さらには感染症対策までもが真摯に行われていないため、前述の事件や不具合で苦しむ人が出てくるのです。

レーシックの手術を受ける前に、リスクについて医師から十分に説明を受け、手術を受ける側としてもよく理解しておきましょう。

また、安心して手術を任せられるクリニックや病院かどうか見極めることも必要です。

術後のリスクを軽減するためにも、日本眼科学会では眼科専門医の診察および手術を受けることを推奨しています。眼科専門医とは「日本眼科学会、日本眼科医会の会員であり、そのうえで眼科手術を含んだ5~6年以上の臨床研修を修了し、専門医の認定を受けた医師」のことです。レーシックを受ける際のポイントとして覚えておきましょう。また、使用するレーザー機器も施設によってさまざまです。手術を受ける際には、レーザー機器の性能についても知っておくことが大切です。もちろん古いレーザー機器よりも最新のレーザー機器の方が矯正精度も高く、安全性も確保されています。

下記のような点をしっかり確認するようにしましょう。

・日本眼科学会の定めるガイドラインを遵守しているか

・日本眼科学会認定専門医が執刀する病院かどうか

・適応検査は十分に行われているか

・治療実績はどのくらいか

・感染症対策や術後のアフターケアは万全か

・料金は明確に提示されているか

疑問や不安があれば、クリニックに出向いて相談したりカウンセリングを受けるなどし、十分納得したうえで施術を受けましょう。術後に後悔しないためにも、疑問点や不安について、納得いくまで説明を受けることがなにより大切です。

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