ハンノキ花粉症とは
ハンノキはブナ目カバノキ科に所属する落葉樹で、日本全域に分布していますが、とくに北海道と北陸地方に多く生息しています。湿地や湿原、池・沼のまわりに自生するほか、公園などにもよく植えられています。
風で花粉が飛ばされることで受粉を行う風媒花(ふうばいか)で、大量の花粉が長い距離飛ばされるため、花粉症の原因となりやすい樹木です。ハンノキ花粉症とは、このハンノキの花粉がアレルゲンとなってアレルギー症状が起こるものを指します。
ハンノキ花粉が飛散する時期
ハンノキの花粉が飛散するのはおもに1月~4月で、東北や北海道など涼しい地域では、5月まで飛んでいる場合があります。ちょうどスギやヒノキの飛散時期と重なっているため、ハンノキ花粉症だと判明する前は、スギやヒノキの花粉症だと勘違いする人も多くみられます。
詳しいハンノキ花粉の飛散時期や、ハンノキ以外の花粉の飛散時期については、『ハンノキ花粉症を起こしやすい時期は』をご覧ください。
ハンノキ花粉症の症状とは
ハンノキ花粉症を発症した場合に現れる症状は、一般的なスギなどの花粉症と同様、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみ、充血などが主症状となります。症状がひどくなると、のどのかゆみ、咳、鼻づまりによる頭痛、全身の倦怠感、鼻やのどの炎症反応による微熱などの症状が出てきます。
詳しくは、『ハンノキ花粉症の症状について』をご覧ください。
ハンノキ花粉症の人は口腔アレルギー症候群に注意
ハンノキはカバノキ科に属していますが、このカバノキ科の植物による花粉症は、口腔アレルギー(OAS)を併発しやすいことで知られています。同じカバノキ科のシラカバによる花粉症でも高確率で口腔アレルギーを発症します。そのためハンノキの場合も注意が必要です。
ハンノキ花粉症の人が口腔アレルギーを引き起こしやすい代表的な食べ物は、キウイ、リンゴ、モモ、メロン、スイカなどの果物や、アボカド、セロリ、トマトなどの野菜です。ハンノキ花粉症の人がこれらの食材を食べて口の中がかゆくなったり、のどがイガイガしたりするなどの症状が出た場合は、口腔アレルギーの可能性が高いので、専門機関で検査を受けてみましょう。
ハンノキ花粉症の口腔アレルギーについての詳細は、『ハンノキ花粉症の人はこの果物に注意!』をご覧ください。
ハンノキ花粉の予防法は
どの花粉症でもそうですが、治療は花粉が飛び始める前から行うと、症状が軽く抑えられるので効果的です。こうした投薬などによる治療とともに、日常生活で花粉を体内に取り込まないようにする工夫も大切です。
ハンノキの花粉が多く飛んでいる日や花粉が多く飛ぶ時間帯は外出を控える、メガネやマスク、帽子などを着用して花粉が粘膜に付着するのを防ぐ、花粉のつきやすい服(ウールのように毛羽立った繊維など)は避ける、部屋に花粉が入らないように窓や戸はきちんと閉める、掃除はこまめに徹底して行うなど、花粉と接触する時間をできるだけ少なくする方策を練りましょう。また、タバコは粘膜を傷つけるため、炎症がひどくなりますので避けてください。
ほかの花粉に比べて長い期間飛散するハンノキの花粉。スギやヒノキと思っていたら、実はハンノキだったということもあるかもしれません。どの花粉に反応しているかよくわからないという人は、一度検査を受けてみるとよいでしょう。
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