リンスインシャンプーで薄毛・抜け毛に?メリットや頭皮への影響を検証
更新日:2018/07/25 公開日:2018/07/24
リンスインシャンプーは、一回の洗髪で髪を洗うシャンプーの効果と、髪の毛をサラサラにするリンスの効果を期待できる便利なアイテム。
利便性の面ではメリットが大きい一方で、ネット上ではリンスインシャンプーを使っていたら、薄毛や抜け毛が気になるようになったという声も見られます。リンスインシャンプーを使うことで、頭皮に影響があるのでしょうか。
[目次]
リンスインシャンプーとは
リンスインシャンプーは、ご存知のとおりシャンプーとリンスの役割を兼ね備えた製品。つまり、髪や頭皮を洗浄する成分と、髪の毛の感触をよくする成分の両方が配合されている製品です。
リンスインシャンプーは一度でシャンプーとコンディショナーのケアが済む手軽さがある一方で、それぞれの役割が中途半端になり、どちらも十分な効果を得にくいといわれています。しかし、必ずしも薄毛や抜け毛を招くかと言うと、そうとも言えません。
まずはリンスインシャンプーのメリット・デメリットをチェックし、頭皮に対する効果を見ていきましょう。
リンスインシャンプーの特徴とメリット
リンスインシャンプーには、リンスとシャンプーが一緒になっているからこそのメリットがあります。
- 髪を洗う時間を短縮できる
- シャンプーとリンスが同時で済むので水の節約になる
- 旅行などでは荷物をできるだけ少なくできる など
もし、手元のシャンプーとリンスを混ぜるとリンスインシャンプーができれば、普段はシャンプーとリンスを別々で用意し、旅行のときだけ混ぜて持っていくといったこともできます。果たして、手持ちのシャンプーとリンスを混ぜればリンスインシャンプーになるのでしょうか。
手持ちのシャンプーとリンスで作れる?
リンスインシャンプーは、単純にリンスとシャンプーを混ぜて作っているものではありません。通常のリンスよりも分子が大きくなっており、シャンプーで洗うと同時に付着しても浸透するように作られています。
通常、リンスの分子はあまり大きくない形で精製されています。これは、通常はシャンプーを洗い流した後にリンスを使用するため。そもそもリンスはシャンプーを洗い流した後、シャンプーによってアルカリ性に傾いた髪の毛の状態を中和するために使用するものです。そのため、通常であればシャンプーを洗い流してからリンスを使います。
さて、リンスインシャンプーに配合されるリンスの分子は、通常よりも大きく精製されていることを前述しました。これは、分子が小さいとシャンプーと同時に付着したリンスの分子が流れてしまうため。つまり、シャンプーとリンスが別々になっている製品を混ぜても、リンスインシャンプーにはならないのです。
では、反対にリンスインシャンプーのデメリットも見てみましょう。
薄毛の原因に?リンスインシャンプーのデメリット
リンスインシャンプーのデメリットや懸念点として、以下のことがあげられます。
- 皮脂が多い人にはあまり向かない
- 髪の毛のダメージ補修効果が弱い
また、リンスの成分が頭皮に残って薄毛につながるといった論調もあるようです。これについては少し検証するとして、1つずつ詳しく解説しましょう。
皮脂が多い人には不向き
リンスインシャンプーは、シャンプーで頭皮を洗うと同時にリンスの成分も頭皮につきます。しかし、通常はリンスの成分は頭皮にあまりつかないほうがよいとされています。それは、リンスの成分であるシリコンや油分が頭皮につくと、スッキリ感が得られずベタつきが気になるため。このことから、もともと頭皮のベタつきが気になりがちな頭皮の皮脂分泌が多い方には、リンスインシャンプーはあまり向かないと考えられます。
ダメージヘアのケア効果も弱め
リンスに求められる効果として「ダメージヘアのケア効果」があげられます。しかし、リンスインシャンプーのリンスの効果は、単体の場合よりも低め。これは、ケア成分が薄まっているためとされています。
そのため、ダメージヘアが気になる方にもリンスインシャンプーはあまりおすすめできません。
リンス成分が頭皮に残る?
巷では、リンスの成分が頭皮に残り、それが頭皮の毛穴につまって抜け毛や薄毛につながるのではないか、ともいわれています。しかし、これに関しては疑問が残ります。
リンスの成分の中には、基本的に髪を保護するための油分が配合されています。代表的なのが、シリコンです。シリコンと言えば、過去に頭皮の毛穴につまるといううわさが流れたことがあります。それにより、シリコンを配合していないことを売りとしたノンシリコンシャンプーも登場しました。
しかし、頭皮の毛穴にシリコンがつまるといううわさは、現在では科学的な根拠がないといわれています。むしろ、頭皮の毛穴につまったりはしなかったという実験結果も出始めています。
そのため、リンスの成分が頭皮に残って抜け毛や薄毛につながる、といううわさも、眉につばをつけて聞いた方がよいかもしれません。
3つめの薄毛への関連は定かではありませんが、リンスインシャンプーは利便性があるかわりに、頭皮や髪の毛のダメージへ積極的にアプローチするには弱いと考えられるでしょう。
では、抜け毛や薄毛が気になっており、積極的にアプローチしたい場合にはどのようなシャンプーやリンスを選ぶとよいのでしょうか。
頭皮環境を考えたシャンプーの選び方
頭皮環境の改善を考える女性が選びたいのは、比較的洗浄力のやさしいシャンプー。男性は思春期以降の皮脂の量はほぼ変わらないというデータがある一方で、女性の皮脂分泌量は20代前半にピークを迎え、加齢とともに少なくなるとされています。
皮脂は、肌を守るバリア機能の一端を担っています。肌バリアは、外部の刺激から肌を守るとともに、肌の内側から水分が蒸発するのを防ぐ役割を持っています。皮脂が少なくなるということは、それらのバリア機能も弱まり、肌が乾燥しやすくなるということ。強すぎるシャンプー剤で必要以上に皮脂を奪ってしまえば、さらなる肌の乾燥につながります。
シャンプーの洗浄力は、配合されている界面活性剤の種類と量で決まります。界面活性剤の種類は主に3種類です。
高級アルコール系
市販のシャンプーにもっとも多い界面活性剤のタイプ。泡立ちがよく、洗浄力や刺激が強い傾向があります。ラウレス硫酸、ラウリル硫酸といった文言がつく名前の成分が多く見られます。
石けん系
固形石けんと同じく、石けんを界面活性剤として配合しているタイプです。石けんは皮膚や髪への刺激はあまり強くありませんが、洗浄力は高く、皮脂をよく取り除きます。また、洗い上がりがアルカリ性になるため、髪の毛のきしみが強く出やすい傾向もあります。
アミノ酸系
市販のシャンプーでも、最近増えてきているタイプのシャンプーです。3種類の界面活性剤の中では比較的洗浄力が弱く、頭皮への刺激も弱めです。グルタミン酸やグリシン、アラニンといった名前のつく成分が多く見られます。
この中で、薄毛の気になる女性におすすめなのはアミノ酸系のシャンプーです。最近では、アミノ酸シャンプーであることを標榜している製品も多くありますが、より確実にアミノ酸シャンプーを選びたい場合には、パッケージの裏に記載された成分表示を見てみましょう。
成分表示の最初のほうには、そのシャンプーで多く配合されている成分が記載されています。成分の先頭から5~6番目くらいまでに界面活性剤が掲載されていることが多いため、ここをチェックすれば、そのシャンプーの界面活性剤の傾向がつかめます。
シャンプーを選ぶときは成分表示をチェックし、前から6番目までにグルタミン酸、グリシンやアラニンといったアミノ酸の界面活性剤が記載されているものを選ぶことをおすすめします。
薄毛・抜け毛が気になるならシャンプーの仕方も重要
薄毛や抜け毛が気になる場合、シャンプーの選び方だけでなく洗い方も重要です。これは、洗い方を間違っているとシャンプー剤が頭皮に残って刺激となったり、かえって頭皮を乾燥させてしまったりするため。いくら頭皮にやさしいシャンプーを選んだとしても、使い方を間違えてしまっては、十分な力を発揮できません。
シャンプーで洗うときのポイントは、主に以下の3つです。
- 38℃くらいのぬるま湯で洗うこと
- シャンプー剤をきちんと泡立て、爪を立てずに指の腹を使って洗うこと
- すすぎ残しがないよう、しっかりすすぐこと
熱いお湯ですすいだり爪を立てて洗ったりすることは、頭皮に無用なダメージを与えることになります。毎日のシャンプーでは、まずは上記の3点を意識してみてください。
また、より詳しいシャンプーの方法は『アミノ酸系シャンプーで抜け毛が増える?女性の薄毛を防ぐ方法』で解説しています。あわせてご覧ください。
抜け毛・薄毛の予防対策法
抜け毛や薄毛の予防対策にできることは、シャンプーだけではありません。
たとえば、マッサージは頭皮の血行の改善を期待できます。抜け毛や薄毛予防に効果的とまでは言えませんが、リラクゼーションに役立つと考えられます。ヘッドマッサージに関しては『抜け毛・薄毛を予防する簡単ヘッドマッサージ』で詳しく解説しています。
このほかに、バランスのよい食生活や十分な睡眠、カラーリングやパーマといった頭皮にダメージを与える行為をできるだけ減らすといった工夫も有効といわれています。『日常生活から見直す女性の薄毛対策とは』では、日常生活における薄毛対策の方法をご紹介しています。
また、男性と同じく女性の薄毛にも育毛剤が発売されています。育毛剤によって必ず薄毛を改善できるとは言えませんが、試してみるのもよいかもしれません。『薄毛が気になる!女性用育毛剤の選び方と効果的な使い方』では、女性用育毛剤の選び方を解説しています。女性用育毛剤と男性用育毛剤は異なるため、使ってみたいと思うのであればしっかり選び方をチェックしましょう。
まとめ
リンスインシャンプーは、それ自体が必ずしも抜け毛や薄毛の原因になるとは限りません。しかし、シャンプーとしての効果もリンスとしての効果も中途半端で、頭皮環境を改善したいと願うときに適したものでもないと言えるでしょう。
頭皮環境を改善し、薄毛や抜け毛の予防を目指したい場合は、洗浄力がやさしいアミノ酸系シャンプーを選びましょう。また、シャンプーやリンスの使い方を見直すことも大切です。
ですが、利便性にすぐれたリンスインシャンプーは、旅行のときなど荷物を減らしたいときに一時的に使用する程度であればよいでしょう。普段のケアではアミノ酸系シャンプーとコンディショナーを選び、旅行のときなどはリンスインシャンプーを活用するというのは賢い付き合い方と言えるかもしれません。
頭皮のケアにおすすめの化粧品 関連記事
-
アミノ酸シャンプーが白髪に効果的?シャンプーと白髪の関係
#アミノ酸 #シャンプー #白髪
-
ノンシリコンシャンプーは白髪によいの?白髪の予防・対策
#ノン #シリコン #シャンプー
-
オーガニックシャンプーを使っていたらフケが?頭皮にやさしいのは本当?
#オーガニック #シャンプー #フケ
-
シャンプーで白髪の予防・改善できる?エイジングケアを意識した選び方
#シャンプー #白髪
-
コンディショナーがフケの原因に?フケをおさえる使い方
#コンディショナー #フケ
-
リンスインシャンプーでフケが出るのはなぜ?原因と対策
#リンスインシャンプー #フケ
-
パサパサ乾燥ヘアにおすすめのトリートメントとは?
#トリートメント #乾燥
-
乾燥パサパサ髪に!ヘアオイルの選び方とおすすめの使用法
#ヘアオイル #乾燥
-
かんたんチェック
髪の「隠れダメージ度」チェック
-
かんたんチェック
髪の「水分バランス乱れ」チェック
振り返りやまとめ読みに便利。クリップで記事を保存!
クリップ機能を使用するには、会員登録(無料)が必要になります。