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鼻炎の症状と原因、家での対処法と薬などでの治し方

更新日:2018/03/12 公開日:2018/03/12

鼻炎の症状と対処法

鼻炎といえば、花粉症などのアレルギー性鼻炎が知られていますが、他にもさまざまな原因で起こります。鼻炎が起こる仕組みと症状、鼻炎の原因と種類、家庭での工夫と薬局で買える薬、病院での治療についてドクター監修のもと解説します。

◎短くポイントをまとめると
鼻炎では鼻の粘膜で炎症が起きること。主な症状はくしゃみ、鼻水、鼻づまり
原因は感染性、アレルギー性、薬剤性など多くの種類に分けられる
症状が重かったり、1か月以上長引いたりするようなら耳鼻科へ

鼻炎のイメージ画像

「鼻炎」(びえん)は、鼻の粘膜に起こった炎症です。炎症とは、何らかの有害な刺激を受けたときに、身体を守るために起こる防御反応のことです。鼻の粘膜に風邪などの感染症を引き起こすウイルスや細菌などの病原体や、花粉やハウスダストなどのアレルゲン(アレルギー反応を起こす物質)、物理・化学的な刺激などが加わると、これを取り除くために炎症が起き、鼻炎となります。ここでは、鼻炎の症状と原因、家での対処法と薬局で買える薬、病院での治療法について解説します。

鼻炎の主な症状はくしゃみ、鼻水、鼻づまり

鼻は、匂いを嗅いだり、呼吸をしたりするために外界と接しています。そのため、鼻の粘膜は外からの刺激を受けやすい部位です。何か異物が入ってきたときには、くしゃみや鼻水(鼻汁)でそれらを外に押し出して排除するよう働きます。ほこりっぽい場所に行くと、誰でもくしゃみや鼻水が出るのはこのようなメカニズムによるものです。

通常のくしゃみや鼻水で排除できない異物や刺激に対して、身体は炎症を起こして反応します。鼻の粘膜は赤くなったり熱をもったり、痛くなったり、腫れ上がったりします。粘膜が腫れると空気の通り道が狭くなり、鼻の通りが悪くなるので、鼻づまりが起こります。異物や刺激を取り去るために、くしゃみや鼻水もより多く出るようになります。最初、鼻水は透明で水っぽいですが、炎症が進むにつれて次第にネバネバし、白色や黄色、緑色になることがあります。悪化すると副鼻腔炎(蓄膿症)に進行して、頭痛を起こすこともあります。

どうして炎症が起こるのかというと、異物を捕らえたり、刺激により壊された部分を修復したりするために免疫細胞が働くからです。粘膜にはマクロファージなどの免疫細胞がいて、異常を感知するとヒスタミンやセロトニンなどの物質を出します。そうすると、毛細血管の壁がゆるんで他の免疫細胞が集まってきやすくなります。この過程で、粘膜が赤くなったり熱をもったりします。粘膜が腫れるのは、血管がゆるんで血漿(体液の一種)が組織に漏れ出してくるからです。鼻炎のくしゃみ、鼻水、鼻づまりは不快な症状ですが、身体を守るために免疫細胞が働いた結果として起こっていることなのです。鼻水がネバネバしたり着色したりするのは、免疫細胞や細菌などの死骸が含まれるようになるからです。

鼻炎が起こる原因と分類

鼻炎の種類は、その原因(刺激や異物)によって分類されています。細かく分ければ20種類ほどになりますが、いずれも鼻の粘膜の炎症を引き起こすので、症状としては基本的にどれも似たようなものと考えていいでしょう。鼻炎を分類するのは、原因を特定して適切な治療につなげるためです。ここでは下記について簡単に説明します。

  • 感染性の鼻炎
  • アレルギー性鼻炎
  • 血管運動性鼻炎
  • 鼻漏型の鼻炎
  • うっ血型の鼻炎
  • 萎縮性鼻炎

感染性の鼻炎

鼻腔(鼻の穴)に細菌やウイルスなどの病原体が入り込んで、鼻の粘膜に付着、増殖して、粘膜の細胞に被害をもたらします。この一連の流れを「感染」といいます。免疫細胞はこれらの病原体による被害を食い止めるために炎症を起こして対応します。そのため、鼻炎の症状(くしゃみ、鼻水、鼻づまり)が起こります。目安として、症状が始まって1か月以内なら急性鼻炎、1か月以上なら慢性鼻炎と呼ばれます。

アレルギー性鼻炎

花粉やほこりなど、本来なら有害な物質ではないのに、免疫細胞が有害と誤認して炎症を起こすことをアレルギー反応といいます。アレルギー性鼻炎のなかでも有名なのが花粉症で、アレルゲンとなる花粉を1年のうち限られた期間にしか吸い込まないので、医学的には「季節性アレルギー性鼻炎」と呼ばれています。反対に、ハウスダスト(ほこりやダニ)、カビ、ペットの毛や垢など、季節に限らず1年中あるアレルゲンによる鼻炎の場合は「通年性アレルギー性鼻炎」といいます。

血管運動性鼻炎

アレルギー性鼻炎によく似た症状が出ているのに、検査などをしても鼻炎の原因となるようなものが見つけられない場合に血管運動性鼻炎と呼ばれます。花粉症のように目の症状が出ないことが特徴です[1]。医師が鼻炎の原因を見つけ出すには、問診でさまざまな情報の聞き取りが必要となります。気になることや変わったことがあれば、ささいなことでも伝えるようにすると診断の参考になります。

鼻漏型の鼻炎

鼻水が主な症状の鼻炎です。辛いものを食べたり、冷たい空気を吸い込んだりしたときに鼻水が出てきた経験をお持ちの方は多いのではないでしょうか。温かいものを食べた時に鼻水が止まらなくなることもあります。高齢者に多く見られます。

うっ血型の鼻炎

鼻づまりが主な症状の鼻炎です。薬物、ストレス、妊娠、冷たい空気などにより起こります。なかでも有名なのが、市販の点鼻薬(血管収縮薬)を使いすぎたときに起こる鼻づまり(薬剤性鼻炎)です。この薬は血管の壁をぎゅっと収縮させることで鼻炎の症状を緩和する作用があるのですが、長期間使用すると、かえって血管が広がってしまい、鼻の粘膜が腫れて鼻づまりの症状が起こるのです。点鼻薬を1日に3回以上、1か月以上継続して使用しているのに鼻づまりが解消されない場合は薬剤性鼻炎になっている可能性があります。なお、鼻炎の原因となり得る薬は他にもありますので(抗精神病薬、降圧薬、緑内障治療薬、消炎鎮痛薬、免疫抑制薬など)[1]、心配な場合は医師や薬剤師に相談してみましょう。

※薬剤性鼻炎について詳しくは「薬剤性鼻炎の原因と症状、治療法」をご覧ください。

萎縮性鼻炎

何らかの原因で鼻の粘膜が薄く・硬くなり、鼻腔が広がる病気です。ホコリなどの粒子を取り除いて鼻の中を潤す線毛が機能しなくなり、鼻の中が乾燥しているように感じたり、黄褐色のかさぶたができたり、悪臭が発生します。鼻腔が広がっているにもかかわらず、鼻づまりを感じる患者が多いようです。頭の重苦しさを感じたり、匂いが分かりづらくなったりします。

※萎縮性鼻炎について詳しくは「萎縮性鼻炎の原因と症状、治療法」をご覧ください。

鼻炎をやわらげる対処法

普段の生活の中で鼻炎の症状をやわらげる工夫をすることができます。

ウイルスやホコリ、花粉などを避ける

鼻炎の症状を緩和させるには、原因物質を避けることがもっとも重要です。花粉やダニ、ホコリ、ペットの毛などを遠ざけるために、部屋の中の掃除を怠らないようにしましょう。特に、ホコリが溜まりやすい寝具、カーペットなどをこまめに清掃することで、ハウスダストを減らすことができます。特にダニに対しては最初にバルサンなどの殺虫剤を使用して退治しておくことも大事です。空気清浄機を使うのも一手です。また、外出の時は、マスクや眼鏡を着用するなどの対策を行いましょう。

常に湿度を保つ

鼻水や鼻づまりが続く時は、乾燥を避けることが大切です。加湿器などを設置して、常に部屋の湿度を一定に保ちましょう。マスクの着用は鼻や喉の粘膜の加湿になります。また、入浴中は鼻腔が温まり、血液が循環して鼻の通りがよくなります。シャワーだけで済まさず、ゆっくりぬるめのお風呂につかることをおすすめします。

睡眠を十分に取り、ストレスを溜め込まない

疲労やストレスがあると症状が悪化しやすくなるため、十分な睡眠とストレスの解消を心がけましょう。どんなに忙しくても睡眠はしっかりとれるよう、できるだけ生活のリズムを整えてください。リラックスする時間や空間の確保、リフレッシュできる趣味を持つのもいいでしょう。

薬局で買える鼻炎の薬

上記のような生活の工夫をしても、症状が抑えられない場合やつらい場合は、薬局で売っている鼻炎の薬(点鼻薬、飲み薬)の使用を考えてもいいでしょう。ここでは、市販の鼻炎薬によく使われている成分を紹介します[2]。

  • 血管収縮成分(鼻づまりを緩和、長期使用は薬剤性鼻炎の原因になるので注意):テトラヒドロゾリン、ナファゾリン、フェニレフリン、オキシメタゾリン、プソイドエフェドリン、メチルエフェドリン
  • 抗ヒスタミン成分(くしゃみ、鼻水を緩和):クロルフェニラミンマレイン、カルビノキサミンマレイン、ジフェニルピラリン、メキタジン、エバスチン、エピナスチン、ケトチフェンフマル、セチリジン、フェキソフェナジン
  • 抗アレルギー成分(くしゃみ、鼻水を緩和):クロモグリク酸ナトリウム、ケトチフェンフマル酸塩
  • 抗炎症成分(鼻粘膜の炎症を抑える):グリチルリチン

この他にも、殺菌成分(抗生物質)や痛みを抑える麻酔成分、炎症を抑えるステロイド成分、神経を鎮めて鼻水を緩和する副交感神経遮断成分、眠気(抗ヒスタミン薬の副作用)を抑える成分、漢方で使われる生薬を配合した薬剤があります。くしゃみ、鼻水、鼻づまりのどれがつらいかによって選びたい薬は違いますので、薬剤師に相談して購入することをおすすめします。

病院で行う鼻炎の治療

細菌やウイルスの感染による鼻炎は通常1~4週間でおさまります。 症状が1カ月以上続く場合や、症状がひどい時などは、耳鼻科や耳鼻咽喉科、内科を受診することをおすすめします(子供の場合は小児科でもよいです)。病院では鼻炎が起きている原因を検討し、適切な治療をしてくれます。病院の治療としては、点鼻薬や内服薬による薬物療法、鼻の粘膜をレーザーで焼く手術、アレルゲンを異物と認識しないように免疫細胞を教育しなおす(体質改善させる)免疫療法などが行われます。

※病院で行う鼻炎の治療について詳しくは「病院で行う鼻炎の治療 その種類と内容は?」をご覧ください。

まとめ

鼻炎は、くしゃみ、鼻水、鼻づまりといった不快な症状が起こります。これは身体の防御反応の結果として起こっている症状であり、通常は1か月以内に症状がおさまることが多いです。それ以上つづくようなら、副鼻腔炎に進行していたり、良かれと思って使っていた薬が原因になっていたりするかもしれません。原因を知って適切な対応が取れるようにするためにも、症状が重かったり、長引いたりするようなら病院を受診しましょう。

参考文献

  1. [1]湯田厚司. 血管運動性鼻炎, 日耳鼻 2011;114(12):934-937
  2. [2]日本OTC医薬品情報研究会編. OTC医薬品事典 第15版. じほう2016; 280-281

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