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コンタクトレンズ使用者がなりやすい眼瞼下垂とは?

更新日:2018/03/16 公開日:2018/03/15

眼瞼下垂の基礎知識

眼瞼下垂は、まぶたが下がって視界が悪くなったり、顔の印象が変わったりする病気です。コンタクトレンズ使用者は眼瞼下垂になりやすいことが知られています。ここでは、コンタクトレンズと眼瞼下垂の関係や、予防・治療法について解説します。

◎短くポイントをまとめると
コンタクトレンズ(特にハードレンズ)を長期間使っている人は眼瞼下垂になりやすい
コンタクトレンズによる眼瞼下垂を予防するには、まぶたに与える刺激を少なくすることが重要
眼瞼下垂は手術で治療する。術後にコンタクトレンズを使い続けるかどうかは眼科医と相談を

コンタクトレンズのイメージ写真画像

眼瞼下垂(がんけんかすい)は、まぶたが下がってきて視界の上の方が見えにくくなったり、目が細くなって顔の印象が変わってしまったりする病気です。この一因にコンタクトレンズがあるのをご存知ですか?ハードコンタクトレンズを使用している人は、そうでない人と比べて20倍も眼瞼下垂になりやすいという日本の研究結果があります[1]。ここでは、コンタクトレンズと眼瞼下垂の関係や、治療法、予防法について解説します。

どうしてコンタクトレンズで眼瞼下垂になるの?

眼瞼下垂は、生まれつきの「先天性」と、生まれた後にかかる「後天性」の2種類があります。コンタクトレンズが関係しているのは、当たり前ですが後天性の方です。

眼瞼下垂のメカニズム

後天性の眼瞼下垂で最も多いのは、加齢性(老人性)の眼瞼下垂です。これを例にとって眼瞼下垂のメカニズムを説明します。

まぶたは、例えるなら窓のシェードカーテンや巻き上げ式のプロジェクタースクリーンのように、下部にしっかりした軸があり、それを引っ張り上げるような構造になっています。まぶたの場合、この軸の部分は瞼板(けんばん)、引っ張る部分は眼瞼挙筋(がんけんきょきん)が該当します。

加齢性の眼瞼下垂の場合は、まぶたを引っ張る力はあるのですが、瞼板と眼瞼挙筋の結合部分(挙筋腱膜;きょきんけんまく)がゆるんでしまっているために、うまく引っ張り上げることができません。このような状態を「腱膜性眼瞼下垂」(けんまくせいがんけんかすい)といいます。

そのほかにも、炎症やむくみ(浮腫)などによってまぶたの容積や重量が大きくなると、やはりうまく引っ張り上げることができなくなります。また、神経や筋肉に問題があって起きる眼瞼下垂や、まぶたの皮膚がゆるんだために眼瞼下垂のように見えるものもあります。正確な診断のためには眼科を受診する必要があります。

コンタクトレンズで眼瞼下垂が起こる理由

眼瞼下垂は、コンタクトレンズ、特にハードレンズを長期間(10年以上)にわたって使っている方に多く見られることが知られています。はっきりとした原因は分かっていませんが、下記のような要因が関係しているのではないかと考えられています。

  • コンタクトレンズが常にまぶたの裏側をこすって刺激し続けること
  • コンタクトレンズが固く、擦れる力が強いこと
  • コンタクトレンズを取り外すときに、まぶたを強く引っ張ること

このように、コンタクトレンズの使用によりまぶたに負担がかかる状況が続くと、まぶたを引っ張り上げることが難しくなってきて、眼瞼下垂になると考えられます。コンタクトレンズによる眼瞼下垂は、腱膜性眼瞼下垂の一種として扱われています。

下垂の程度は、ほとんどの方は片側の眼にまぶたの下垂を感じることが多いようですが、両眼ともコンタクトレンズを装用されている方は、程度の差こそあれ両眼で眼瞼下垂が進行していることがほとんどです。

コンタクトレンズによる眼瞼下垂を予防するには?

コンタクトレンズによる眼瞼下垂を予防するには、まぶたに与える刺激を少なくすることが重要です。例えば、下記のような工夫ができます。

  • コンタクトレンズの装着時間を減らす
  • メガネに変える、併用する
  • ハードレンズではなく、ソフトレンズにする
  • コンタクトレンズを取り外すときに、まぶたを強く引っ張らない
  • 目に負担をかけすぎないようにする(スマホ、パソコンなど)
  • 意識的に目を休める
  • まぶたを手で擦らない
  • 花粉症などで目がかゆいときは、眼科や薬局で薬をもらう

眼瞼下垂の治療法

眼瞼下垂を治すには、ほとんどの場合で手術が必要です。加齢性の場合では、ゆるんだ挙筋腱膜と瞼板を縫い合わせて、眼瞼挙筋でしっかりまぶたを引き上げられるようにする手術を行うことが一般的です。それほど大がかりな手術ではないので、病院によっては日帰りで実施できます。

手術後はまぶたをしっかり開けられるようになります。ただし、手術後にまたコンタクトレンズを使い続ける場合、長いスパンで見ると再発の可能性もあります。治療後に視力をどのように矯正すべきかは、眼科医と相談して決めましょう。

参考文献

  1. 1. Kitazawa T, et al. Hard Contact Lens Wear and the Risk of Acquired Blepharoptosis: A Case-Control Study, Eplasty. 2013; 13: e30.