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汗をかきやすい人ならば、あらゆる制汗対策やアイテムについて調べているかもしれません。対策のひとつに、服用することで汗を止めることができる、薬の存在を知ることもあるでしょう。対策をするなら高い効果を得たいと思うのは当然のことですが、メリットだけでなくリスクを把握することは重要です。特に医薬品に関しては効果がある一方、副作用のリスクもあります。この薬はどんな薬なのか?どうすれば入手できるのか?薬の詳細と効果、危険性について知っておきましょう。

汗を止める薬は存在するのか

「多汗症」と呼ばれる疾患には治療薬を処方することもあるため、汗を止めるための薬は存在すると言えます。ただし、多汗症に使用される薬には医師の許可が必要なため、簡単に手に入れられるものではありません。

多汗症とは

多汗症には全身の汗が増加してしまう「全身多汗症」と、体の一部、手の平や足の裏、顔、ワキなどに汗が増える「局所多汗症」があります。全身多汗症は感染症や内分泌代謝異常、神経疾患などが合併して発症する場合があり、局所多汗症は外傷や神経障害などが原因になることがあります。また、これらの原因が当てはまらず、原因不明で汗が増えてしまう場合には「原発性多汗症」と診断され、さまざまな治療法が用いられます。

汗が多くて困る、汗っかきの体質の人がすべて多汗症というわけではないため、自分が多汗症であるかどうかは、素人で判断はできません。医師の診断によって「多汗症」とされなければ、治療薬を処方することは原則ありませんが、医師の判断で処方されることも考えられます。

では、多汗症のための治療薬とはなにか?これを理解しておきましょう。

汗を止めるために多汗症で使われる治療薬

多汗症治療を薬物にて治療する場合、いくつかの内服薬と外用薬が用いられます。

内服薬

内服薬には主に抗コリン剤が使用され、保険適応のあるプロ・バンサインが処方される他に、ポラキス、ベシケアなどが処方されることもあるでしょう。他にも、漢方薬が処方されることもありますが、同じ症状であっても医師によって処方内容が異なることもあります。

また、発汗によって情緒が不安定になることもあるため、自律神経失調症に処方されるトフィソパムやパロキセチンが有効との報告があることから、これらの薬が用いられることもあります。緊張を和らげることで汗を出にくくする効果を狙うため、精神を落ち着かせる安定剤や抗うつ剤が使用されることもあります。

外用薬

外用薬には20%の塩化アルミニウムを皮膚に塗布し、発汗を減らすこともあります。これは汗腺に炎症を起こさせることによって一時的に発汗を抑制する働きがあるためです。効果は一過性のため、継続的に使用することが多いでしょう。有効性の高さが報告されており、市販のもので濃度を薄めて使用することもできます。

ただし、かゆみや発疹が生じることもあり、皮膚の薄いところへの塗布は、より注意が必要となります。

長時間連続使用することでトラブルを招く恐れもあるため、医師による指導がある方が安全でしょう。効果には個人差があり、汗が止まらないというケースもあります。

塩化アルミニウム以外にも、過去には10%のフォルムアルデヒド水溶液のホルマリンや、グルタールアルデヒドの10%溶液、メテナミンの8%クリームを治療に使用していたこともありますが、長く使用することでかぶれを起こしやすくなるため、現在ではあまり使用されていないようです。

一般的に外用薬を用いる場合には、塩化アルミニウムをアルコールか水溶液にて、20~30%に薄めたものを使用することが多いです。

多汗症の治療薬は副作用が強い

原発性の頭部・顔面の多汗症に内服薬として処方されることのあるプロ・バンサインの効果は全身に作用するため、副作用が強く出ることもあります。発汗を抑えるかわりに他器官の分泌も抑制するため、口や喉の渇きの他にドライアイ、便秘や尿が出にくくなるという副作用があらわれることもあります。

また、汗による体温調節ができなくなるため、夏の暑い時期には熱中症にかかりやすくなるという危険が増す恐れも。眠気をもよおすこともあるため、自動車の運転前など、危険を要する行動の前に服用する際には注意が必要です。

内服薬による効果は期待できますが、同時に副作用も出るため、慎重に処方し、専門医が経過を観察しなければなりません。効果にも個人差があるため、原発性頭部顔面多汗症であっても処方されないこともあります。医師の指導なしに服用することはリスクも高いうえ、思っていたように効果が出ないことも予測されます。

どうしても多汗症の治療薬を使いたい場合は皮膚科で相談

多汗症の治療薬を試してみたいという人は多いかもしれません。ですが、医療用医薬品は医師の処方がなければ使用することはできません。そのため皮膚科にて相談することが必要です。

治療法に関しては診療アルゴリズムが作られているため、その手順に沿って診断し、治療法が決められます。

医師によって薬の使用が望ましいと診断された場合、初めて薬を使用することができるでしょう。

海外の医薬品をネットで購入するのは危険

医師が慎重に診断することで処方される薬ですが、海外の医薬品をネット通販にて購入することができるのも事実です。ですが、個人の判断で薬を使用することは、リスクが高過ぎる行為であることを覚えておいてください。使用し続けて有効性を見極めながらも、副作用の有無を注意深く見ていく必要があり、過去の病歴によっては利用できない場合もあるため、医師との相談のうえ使用するようにしましょう。素人判断で勝手に使用するだけはないようにしましょう。

プロ・バンサインの購入を考えている場合には、日本で唯一認可が下りている薬のため、保険適用内で処方してもらうことができます。危険をおかしてまで海外の薬を服用せずとも、保険負担によって安全に治療する方法があることを、ぜひ覚えておいてください。

市販されている制汗剤は薬ではなく「医薬部外品」

ドラッグストアなどで販売されている制汗剤は「化粧品」や「医薬部外品」に該当します。「医薬部外品」は、決して「医薬品」ではありません。

「医薬品」は治療を目的とした薬であるのに対し、「医薬部外品」は効果・効能に有効な成分が一定の濃度で配合されているものを指します。「医薬部外品」には厚生労働省が許可した成分が一定量含まれているため、薬のような強い効果はありませんが、防止や衛生を目的に使用することができます。「薬用」と記載されたものも「医薬部外品」にあたります。

医薬部外品である制汗剤には、塗るタイプ(ロールオン)やスプレータイプがあります。制汗剤は、有効成分が肌に密着して汗の出口にフタをし、汗を抑える効果が期待できます。これは体内から汗が分泌されないわけではなく、肌の表面にブロック成分を塗布することで、汗が肌表面へ出てくるのを抑えているのです。これによりニオイの防止にもつながります。商品によってはドライパウダーを配合したものもあり、汗をすばやく乾かすことによって、汗による不快感を解消させるものもあります。

制汗剤には体内の汗の量を調節する役割はないため、薬のような効果を求めることはできません。使用上の注意を守り、何度か塗布することで、不快感を軽減させること、一時的に汗をブロックすることができます。

「医薬部外品」の表記がない商品は「化粧品」に分類されます。さらに効能と効果が緩和され、防止や殺菌などの効果を記載することはできません。「美化する」「健やかさを保つ」という目的の商品が多いでしょう。

サプリメントは食品なので汗を止める効果はない

汗を抑制するサプリメント商品も存在しますが、食品であるサプリメントが汗腺に働きかけ、汗の分泌量を調整することはありません。サプリメントには主にビタミンやポリフェノールなどが含まれていますが、これらは汗を直接止めるための有効成分ではなく、科学的根拠がありません。利尿作用のある成分や女性のホルモンバランスに作用しやすい成分を配合することにより、汗が軽減したかのように感じさせることはありますが、これにも科学的な根拠は存在しません。サプリメントは、一見すると医薬品のように見えますが、あくまで食品です。サプリメントを活用するよりも、皮膚科へ行く方が改善の近道です。

バランスの取れた食生活を整えることで、汗をかきやすい肥満体質になることを予防する。たばこやコーヒーなどの刺激物を過剰に摂取しないようにするなど、普段の生活から制汗対策を行うことはできます。

まとめ

多汗症の薬は医師の判断がなければ処方されないため、簡単に服用できるものではありません。また、多汗症であっても、必ずしも薬が処方されるとも限りません。

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