赤ちゃんの肌はやわらかく薄いため、紫外線などの影響を受けやすくなっています。そのような赤ちゃんの肌を守るためには、紫外線対策が重要。しかし、大人と一緒の日焼け止めを使ってよいのでしょうか。
ここでは、赤ちゃんの肌にも使用できる日焼け止めをご紹介するとともに、その選び方や使い方を詳しく解説します。
[目次]
赤ちゃんのうちから日焼け止めは必要!
昔は子どもの日焼けは健康的だと思われていましたが、それは間違い。むしろ日焼けは、紫外線によるダメージから身体の細胞を守るためにメラニン色素が作られて起こるもの。つまり、身体の防御反応の1つです。日焼けによるダメージは肌の老化を招き、将来的なシミやシワ、さらには皮膚がんの原因にもなります。
そのため、今は「日焼けしないように対策すること」が常識となりつつあります。
大人になってからは日焼け止めや日傘などで紫外線対策することが多いと思いますが、このような紫外線対策は、小さな子どもにも必要で、赤ちゃんのうちから始めた方が良いと言われています。特に、紫外線の強い時間帯に外に出なければいけないときや、保育園などのお外遊びで紫外線が心配なとき、少し長く外を歩くときには日焼け止めを使用した紫外線対策をしたほうがよいでしょう。
しかし、赤ちゃんの肌は薄くデリケート。日焼け止めを塗るのはよいものの、帰宅後にそれを落とさないと日焼け止めによるダメージを受けてしまう可能性があります。
大人用の日焼け止めの中にはメイク落としで落とすよう書かれているものもありますが、赤ちゃんにぬった日焼け止めをメイク落としで落とすのは、もちろん難しいですよね。では、赤ちゃんに塗る日焼け止めはどのようなものを選んであげるとよいのでしょうか。
低刺激がいい!赤ちゃん用日焼け止めの選び方
デリケートな赤ちゃんの肌につける日焼け止めは、以下の条件を満たしたものがおすすめです。
- 石けんで落ちるもの
- 紫外線吸収剤不使用のもの
- 日焼け止めの強さはSPF20以下・PA+~++程度
それぞれ詳細を解説しましょう。
石けんで落ちるタイプを選ぶ
最近の日焼け止めは、顔や身体を洗う石けんで落ちるものがほとんどです。しかし、一部のウォータープルーフの日焼け止めをはじめ、メイク落としで落とす日焼け止めもあります。
メイク落としは、皮膚が薄く敏感な赤ちゃんには適さないと考えられます。また、赤ちゃんは活発に動くことも多いため、あまり身体や顔を洗うのに時間をかけられません。
日焼け止めの成分が肌に残ると、それがかえって肌に刺激を与えます。そのため、サッと石けんで落とせるタイプの日焼け止めが赤ちゃんには適しているのです。
紫外線吸収剤不使用(ノンケミカル)が安心?
日焼け止めに配合されている紫外線を防ぐ成分には、以下の2種類があります。
- 紫外線吸収剤
- 紫外線散乱剤
デリケートな赤ちゃんの肌には、日常生活の中でのお散歩レベルであれば「紫外線散乱剤」が配合された日焼け止めがおすすめです。
紫外線吸収剤は、皮膚表面で薬剤が紫外線と化学反応し、熱エネルギーに変えることで紫外線をカットします。一方、紫外線散乱剤は紫外線をはね返して皮膚を紫外線から守ります。
日焼け止めとしての効果がより高く、SPFやPAが高い製品が多いのは紫外線吸収剤です。しかし、紫外線吸収剤は化学反応で発生した熱の一部が皮膚にも伝わるため、あまり肌によくないという考えもあります。一方、紫外線散乱剤は細かな粒子で紫外線を皮膚に届けないようにしているため、より皮膚にやさしいと考えられているのです。
「赤ちゃん用」などと標榜されている日焼け止めの多くには、「紫外線吸収剤不使用」や「ノンケミカル処方」といった記載があります。これらの記載は、紫外線吸収剤を使用していない日焼け止めの目印になるので、このような記載のある日焼け止めを選ぶとよいでしょう。
SPF20程度・PA+で十分
赤ちゃんに使用する日焼け止めは、日常生活程度であればSPF20程度、PA+~++程度で十分です。
簡単に日焼け止めの強さの表記についておさらいしましょう。
- SPF
- 紫外線の中でもUV-Bを防ぐ指標。UV-Bはエネルギーが強く、日焼けや皮膚がんの原因になります。数値で強さを表します。
- PA
- 地表に降り注ぐ紫外線の約95%を占めるといわれるUV-Aを防ぐ指標。UV-AはUV-Bよりエネルギーは弱いものの、皮膚の奥深くにまで届き、老化現象に関与するといわれています。+の数で強さを表し、+~++++までの強さがあります。
日焼け止めの強さは強いほうがよいのではないかと思うかもしれませんが、日焼け止めの効果が高いというとは、それだけ皮膚への負担も大きくなるということ。そのため、大人でも街歩きや買い物といった日常生活程度であれば、SPF20程度、PA+~++の日焼け止めで十分といわれています。
ただし、山の上などは空気が薄く紫外線がより多く降り注ぐため、日常生活レベルであってもSPF30、PA+++以下くらいの日焼け止めがおすすめです。また、海などに連れて行くときにも普段より強めの日焼け止めを選んだほうがよいでしょう。
赤ちゃんにおすすめの日焼け止め9選
ドゥーエ ベビー|UVプロテクトミルク(資生堂)
販売価格(編集部調べ):1,404円(税込)
内容量:30ml
SPF20 PA++
敏感な肌のために。資生堂がおくる安全性を最優先に考えたシンプルで低刺激なスキンケア化粧品「2e(ドゥーエ)」のベビーライン。
- 使ってみた感想
- 5月ですでに真っ黒なうちの息子。今までいろいろ日焼け止めを使ってきましたが、これは使いやすくてリピートしたい商品です。さらっとした伸びが特徴的で白くなりすぎずベタつかないので、動きまわる息子でも短時間で塗ることができました。SPFも低めなので肌への負担なども考えられていていいなと思います。
スキンケア大学編集部ママさん 2歳2ヶ月の息子
UVベビーウォーターミルク(ピジョン)
販売価格(編集部調べ):708円(税込)
内容量:60g
SPF15 PA++
赤ちゃんのスキンケア化粧品といえば、欠かすことができない老舗メーカーの「ピジョン」。困ったときはピジョン!というほど、ママたちの信頼が厚いです。
- 使ってみた感想
- 乳液タイプの日焼け止め。さっと伸び、肌に馴染み、日光からのダメージをブロックしてくれます。ベタつきはないですが、しっとりとした仕上がりになります。ドラックストアなどよく目にする製品で価格もリーズナブルなので、手に取りやすい商品だと思います。
スキンケア大学編集部ママさん 2歳7ヶ月の娘
UVベビーミルク ウォータープルーフ(ピジョン)
販売価格(編集部調べ):565円(税込)
内容量:30g
SPF35 PA+++
赤ちゃんのスキンケア化粧品といえば、欠かすことができない老舗メーカーの「ピジョン」。困ったときはピジョン!というほど、ママたちの信頼が厚いです。
- 使ってみた感想
- ベビー向けとしては珍しいウォータープルーフタイプの日焼け止めです。大人が使っている日焼け止めでよく見るサラサラとしたテクスチャーの日焼け止めで、塗りたいところに直接線を引くように出し、手のひらでさっと伸ばすように使用してください。しっとりとした仕上がりになります。夏、プールや海に行く際に、普通の日焼け止めですと、すぐ落ちてしまいますので、こういったウォータープルーフの商品を使えるとしっかりと日焼け止めができますね。ただ強い日差しは、日焼け止めだけで防げるものではないので、帽子や袖の長い水着なども着用してくださいね。また、ウォータープルーフなので使用後はいつもより丁寧に洗ってあげてください。
スキンケア大学編集部ママさん 2歳7ヶ月の娘
アトピタ|保湿UVクリーム(丹平製薬)
販売価格(編集部調べ):918円(税込)
内容量:30g
SPF29 PA++
アトピタは、ママのお腹の中で赤ちゃんを守る「胎脂」に着目。肌あれ・乾燥を繰り返しやすい赤ちゃんの肌を守るケアシリーズです。
- 使ってみた感想
- 乳液とクリームタイプの中間くらいの質感。日焼け止めにしてはややテクスチャは重めなので、しっかり肌に塗ることができます。うちの娘は日焼け止め塗るのイヤがるので、しっかり塗るのにひと苦労なんですが、日やけで肌がヒリヒリしないように、これくらいしっかり塗った方が良いと思います。お風呂のボディーソープでしっかり落ちてくれました。
スキンケア大学編集部ママさん 2歳7ヶ月の娘
アロベビー|UV&アウトドアミスト(N&O Life)
販売価格(編集部調べ):2,538円(税込)
内容量:80ml
SPF15 PA++
赤ちゃんとママのための国産オーガニックにこだわるスキンケアブランド。オシャレなデザインもママの間で人気です。
- 使ってみた感想
- 日焼け止めと虫よけスプレーの一石二鳥アイテム。プッシュタイプのスプレーで、薄く広く散布することができるので、肌になじませるのラクちんです!ローズマリーとレモングラスの香りが優しく香ります。
スキンケア大学編集部ママさん 2歳7ヶ月の娘
アロベビー|UVクリーム(N&O Life)
販売価格(編集部調べ):2,592円(税込)
内容量:60g
赤ちゃんとママのための国産オーガニックにこだわるスキンケアブランド。オシャレなデザインもママの間で人気です。
- 使ってみた感想
- 弾力のあるクリームで、少量でも広範囲を塗ることができます。なので出しすぎに注意!しっかりカバーしてくれる実感は持てますが、動き回る子どもには塗るのはひと苦労ですね。洋服に日焼け止めがつくとが白くなってしまうので、おとなしくしてくれる3歳以降(?)のお子さんにはおすすめです。香りやベタつきは気になりませんでした。
スキンケア大学編集部ママさん 2歳2ヶ月の
BABY BORN|No.2 Face & Body Sunscreen(Mother)
販売価格(編集部調べ):2,916円(税込)
内容量:30g
SPF50+ PA++++
人気タレントの東原亜希さん、エステティシャンの高橋ミカさんが、子育てをするママの観点から共同で作ったベビー用コスメブランド。見た目もオシャレ!
- 使ってみた感想
- さらっとしたテクスチャの日焼け止め。伸びもよく、なによりも肌なじみがいいです「ハイブリッド パウダー」処方の効果なのか、サラサラとした仕上がりには驚き。子どももイヤがらないので、日焼け止めを塗るのがラクです。夏場、強い日差しの下で行動する機会が増えると思いますので、しっかり紫外線対策しましょう!
スキンケア大学編集部ママさん 2歳7ヶ月の娘
ママ&キッズ|UVライトベール(ナチュラルサイエンス)
販売価格(編集部調べ):2,592円(税込)
内容量:90ml
SPF23 PA++
育児雑誌でおなじみ!20年のロングヒットを続ける「ママ&キッズ」は「生まれてすぐから使える」をコンセプトに皮膚科医協力開発&各種アレルギーテスト済の低刺激スキンケア。
- 使ってみた感想
- 乳液タイプ。少し水分量が多く、みずみずしい質感ですが、塗ってみるとススーッと伸びてくれるので使いやすい!肌なじみも良い感じでした。また、お家に帰ってからお風呂で簡単に落とせます。日焼け止め成分に紫外線吸収剤を使っていますが、吸収剤をカプセルに入れて肌に触れないようになっているらしく、肌への負担も少なそうだったので、うちの子は問題なく使えました。
スキンケア大学編集部ママさん 2歳7ヶ月の娘
ルクラ|ベビーUVミルク(ビーバイ・イー)
販売価格(編集部調べ):1,188円(税込)
内容量:40ml
SPF35 PA+++
赤ちゃんの肌リスクを考え、アレルギーになりやすい特定原材料等27品目の由来成分を使わないベビー用スキンケアブランド「Lecura(ルクラ)」。
- 使ってみた感想
- こっくりとした質感の日焼け止め。少し粘度が高いので、少量手にとり、塗りたい所にちょんちょんとつけてから手のひらでなじませるように伸ばすして広げることができます。晴れた日にはお外で遊ぶことが多いと思いますが、使い勝手もよく、日焼けを抑えることができると思います。肌に強い刺激となるものは入っていないと思うので、安心して利用できると思います。ちなみにお風呂でベビーソープをつかって簡単に洗い落とすことができます。
スキンケア大学編集部ママさん 2歳7ヶ月の娘
日焼け止めの塗り方と注意点
なかなかじっとしていてくれない赤ちゃんには、手早くしっかりと日焼け止めを塗ってあげたいもの。どうすると日焼け止めを塗りやすいのでしょうか。また、日焼け止めを塗るときの注意点をあわせてご紹介します。
日焼け止めの塗り方
日焼け止めの簡単な塗り方をご紹介します。
- 日焼け止めを適量手にとり、軽く両手のひらになじませる
- 赤ちゃんの頬やおでこ、鼻、耳、首の後ろに日焼け止めをなじませる(目や口に入らないように気をつける)
- もう一度日焼け止めを手に取る
- 身体の露出している部分に、すべらせるように日焼け止めをなじませる
お風呂上りにクリームやローションを塗っている子も多いかもしれませんが、同じ要領でサッと日焼け止めを塗ってあげるとよいでしょう。
また、ある程度大きくなって自分で塗れるようになってきたら、腕や脚など自分で塗りやすいところから、自分で塗らせてあげるのもよいかもしれませんね。
適度に塗りなおす
日焼け止めの効果は、時間とともに弱くなります。また、汗で流れ落ちたりするものもあるため、朝1回塗ったら1日中効果が続くというものではありません。そのため、適度に塗りなおすことが大切です。
日焼け止めを塗りなおす目安として、2~3時間に1回程度塗りなおすとよいといわれています。時間をとるのが少し大変かもしれませんが、外出が長引く場合などには、適度に日焼け止めを塗りなおすひと手間をかけましょう。赤ちゃんと同じタイミングでママも日焼け止めを塗りなおせれば理想的です。
使用したら必ず洗って落とす
日焼け止めの成分は、低刺激のものであっても肌に長く残ってよい影響があるものではありません。帰宅したら早めに落としてあげてください。
石けんで簡単に落とせる日焼け止めを選んでいれば、普段使っている低刺激のベビーソープでも落とせるでしょう。日焼け止めを塗った部位のほか、汗がたまりやすい手首や足首、首などのくびれ部分もやさしい力加減で洗い残しのないように流してあげましょう。
大人も一緒に日焼け止めを使おう
赤ちゃんに使用できる日焼け止めは、大人にもおすすめ。大人でも、日常生活レベルであればSPF20程度 、PA++以下の日焼け止めで十分なのです。もし、赤ちゃんが生まれてからあまり自分の紫外線対策をできていないな、と感じたら、赤ちゃんと一緒に日焼け止めを使うことをおすすめします。
日頃から、赤ちゃんのお世話などで忙しく、つい自分のケアは後回しになりがち。せっかく赤ちゃんの肌を日焼け止めで守るのですから、赤ちゃんの肌を守ると同時に自分の肌も守ってあげましょう。
日焼け止め以外にできる赤ちゃんの紫外線対策
保育園やお出かけシーンによっては、日焼け止め以外の紫外線対策が難しいときも多いでしょう。そのようなときは今回紹介したような日焼け止めを活用し、赤ちゃんの肌を守ってあげたいもの。しかし、中には肌が敏感でどのような日焼け止めでも肌があれてしまうということもありますよね。
また、短時間のお出かけであれば、より赤ちゃんの肌に負担をかけずに紫外線対策をしてあげたいという思いもあるのではないでしょうか。
もしほかの紫外線対策ができるシーンであれば、以下のような紫外線対策が考えられます。
- ベビーカーのフードを下げる
- 赤ちゃんにひざ掛けなどをかけてあげる
- 薄い長袖の上着を着せてあげる
- 保育園のプールなどではラッシュガードを着せてあげる
- できれば紫外線の強い10時から14時くらいの間の外出を避ける
ラッシュガードとは、プールや海で肌を守るために着る、身体にぴったりとフィットするTシャツのようなものです。濡れてもよい素材でできているため、プールなどでも使用できます。ただし、安全面から必ずフードのついていないラッシュガードを選びましょう。
上記のような方法を組み合わせれば、特にベビーカーや抱っこで移動する小さな赤ちゃんは、日焼け止めを使用せずともある程度紫外線の対策が可能です。
まとめ
ぷにぷにとやわらかく、敏感な赤ちゃんの肌は紫外線の影響も受けやすくなっています。紫外線の強い時間帯に外出を避けたり、ひざ掛けや上着などで行う紫外線対策も有効ですが、難しい場合には日焼け止めの力も借りて、「日焼けする前の紫外線対策」をすることが重要です。
日焼け止めを選ぶうえでのポイントは、以下の3つでしたね。
- 石けんで落ちるもの
- 紫外線吸収剤不使用のもの
- 日焼け止めの強さはSPF20程度・PA+~++程度
今回ご紹介したおすすめ日焼け止めも参考にしながら、赤ちゃんの肌にも負担が多くない日焼け止めを上手に活用しましょう。
人間は、18歳までに一生のうちで浴びる紫外線の半分を浴びるといわれています。紫外線によって引き起こされる肌への影響は、肌の老化や日焼けのみならず、皮膚がんが起きる可能性もあるのです。自分で身を守れない赤ちゃんだからこそ、しっかり守ってあげましょう。
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